学校研究
令和2年度から施行する新しい学習指導要領(平成29年告示)では、子供たちが、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするために「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が必要とされます。
また,「令和の日本型学校教育」では,「子供がICTも活用しながら自ら学習を調整しながら学んでいくことができるよう「個に応じた指導」(個別最適な学び)を充実することが謳われています。
研究主題
『自尊感情を高める』(2年次) ~「子ども主体の学び」を足場に据えて~
主題設定の理由
戦後において最も大きな教育改革と言われている学習指導要領の改訂から3年目を迎えた。それに伴って、第6次山形県教育振興計画や山形市教育大綱等も見直しが図られ、「資質・能力ベース」の教育の具現化に向けて本腰を入れて取り組むべき時期に差し掛かっている。子どもたちの実態や教育課題を明らかにしながら、教育活動を見直していく必要がある。
本校の子どもたちは、とても素直で、前向きに学校生活を過ごしている。また、高学年の子どもたちを中心に、自ら楽しいくらしを創造していこうとする気運も高まってきている。しかし、自分の考えで行動に移すことに自信がもてない傾向が強いため、今後は、学びや活動に対する子どもの遣り甲斐を高め、活動プロセスにおける自分の変容に気付き、自信を高められるように支援していかなければならない。
そのためには、「子ども主体の学び」が必要不可欠であり、年間を通して「子どもの育ち」をマネジメントしていかなければならない。その土台となるのが、日常的な子ども主体の「くらしづくり」であると捉えている。
以上のような教育的ニーズと子どもたちの実態を鑑み、今年度より新たな副主題を設定し、研究の3つの柱「主体性」「協働性」「自立性」をもとに、『子ども主体の学び』に焦点をあてて、行事や児童会活動・教科等の子ども主体の授業や教師の支援について追究することにした。その教育の営みを確立することで、研究主題に繋がっていくものと確信している。
研究の目標
【研究の目標】 | 子どもの実態や学習指導要領の趣旨を踏まえ、子どもの育ちに向けた「子ども主体の学び」のあり方について、日常的に追究していく。 |
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研究の方法
(1)はじめに子どもありき
「教科書に従って、そのまま…」この発想は、教科書を教えようとする『はじめに内容ありき』の考え方である。単元づくり・授業づくりの始めの一歩は、「何を教えるか」ではなく、「子どもの実態から、どんな教師の願いを描くか」であり、「子どもの興味・関心から、どんな活動を展開していくか」である。この考え方を『はじめに子どもありき』と言う。「子どもたちの実態は、こうだから…」「子どもの興味・関心はこうだから…」子どもを主語に置いた授業づくりを心がけていきたいと考える。
(2)「子ども主体の学び」と「教師の立ち位置(意識)」
教師には「させたい活動」がある。しかし、子どもたちの思いが乗らない状況で、その活動に取り組ませれば、教師主導に陥ってしまう。単元や授業をどのように展開すれば、子どもたちは、教師が「させたい活動」の必要性に気付くのか・・・そこに教材研究の醍醐味がある。教師の願いに近づけるために、『はじめに子どもありき』を意識しつつ、『子ども主体の学び』を創造していくことが重要と捉えている。また、授業の中での教師の立ち位置(意識)について、本校では以下の図のようにイメージしている。
※コーディネーター:活動を調整しながら高める役 アドバイザー:活動に助言しながら高める役 サポーター:活動を見守りながら高める役
(3)「子ども主体の授業」におけるイメージの共有
子どもの育ちを実現するには、全教職員で「子ども主体の授業」のイメージを共有することが、極めて大切である。本校では、授業づくりの3つの柱を『①主体性…自分ごとになる価値ある学び ②協働性…必要感ある仲間との交流 ③自立性…自らのあり方への気付き』とし、授業づくりの要素として捉え、全ての教育活動を創造する際に活用している。
研究の方法
(1)日常的な教育活動における子ども主体の追究
①「くらし」の創造
・学校行事や児童会行事では、子どもたちが強い課題意識をもって、自分たちの手で活動を切り拓き、互いに関わりながら取り組んでいけるように、具体的な教師の支援や児童理解のあり方等について教職員OJTにより学び合っていく。
②「カリキュラムマネジメント」の実施
・研究授業は一人一授業とし、できる限り全員が参加する。研究の窓口は限定せず、各自、学級経営の中核となる教科・領域を決めて実践を積み上げる。
・事前研究会は授業者が自ら設定し、OJTによって「研究の3つの柱」を主軸に据えた授業づくりに重点をおく。事後研究会の運営については研究推進委員が中心となって行う。
(2)授業における子ども主体の追究
①「校内授業研究会」
・学校行事や児童会行事では、子どもたちが強い課題意識をもって、自分たちの手で活動を切り拓き、互いに関わりながら取り組んでいけるように、具体的な教師の支援や児童理解のあり方等について教職員OJTにより学び合っていく。
②「七中学区 4校合同授業研究会」
・単なる形式的な小中連携ではなく、中学校区を丸抱えにした「子ども育ち推進プロジェクト」を立ち上げ、子どもが本気になるような価値ある学びの創造や教師の支援について、4校で学ぶ。
③「日常的な授業実践」
・子どもの育ちは「日常」にあると捉えている。子どもの思いに沿った単元構成や子どもが額に汗して懸命に思考するような授業、必要感のある交流、自分の高まりや課題を自覚できるふり返りのあり方などについては、日々追究し、日常的に子どもの育ちの実現に向けて実践する。
研究計画
月 | 研究会名 | 主な研究内容 |
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4 | ◆研究推進委員会 | ・研究の構想について |
5 | ◆研究全体会 | ・研究計画、提案授業、指導案等 |
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7 | ◆研究推進委員会 | ・「大運動会」に向けたコンセプトの検討 |
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9 | ◆研究推進委員会 | |
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12 | ◆研究推進委員会 | ・今年度の総括と研究紀要作成について ・「6年生を送る会」コンセプトの検討 |
1 | ◆研究全体会 ◆研究推進委員会 |
・学年部ごとの研究の成果と課題共通理解 ・次年度へ向けての方向性 |
2 | ◆研究全体会 | ・次年度へ向けての共通理解 |
3 | ・研究紀要の発送 |
※研究推進委員は、行事担当者とともに子ども主体の活動について検討する。